サウナは身体を温めてリラックスさせる効果があるとされていますが、メンタルヘルスへの影響についても注目が集まっています。 近年では、サウナがストレス軽減や気分の改善、さらにはうつ症状の緩和に寄与する可能性があるという研究も見られます。
この記事では、科学的な知見をもとに、サウナが私たちの心に与える影響について検証していきます。
サウナに入ることで副交感神経が優位になり、リラックス状態へと導かれます。 これにより、コルチゾール（ストレスホルモン）の分泌が抑制されることが知られています。
たとえば、フィンランドで行われた研究（Laukkanen et al., 2016）では、週に4〜7回サウナを利用する人々は、ストレスによる心疾患のリスクが有意に低下したという結果が報告されています。
また、温熱刺激によって血流が促進されることで、緊張や疲労感が軽減されるともいわれています。
サウナに入ると「エンドルフィン」と呼ばれる快感物質が分泌され、軽い多幸感やリフレッシュ感が得られるとされています。 これは、軽度な運動後の爽快感にも似ており、精神的なモヤモヤが晴れる一因となっています。
さらに、温冷交代浴による交感神経と副交感神経の切り替えが、自律神経のバランスを整え、心の安定にもつながると考えられています。
いくつかの臨床研究では、サウナ利用が軽度から中等度のうつ症状の軽減に効果を示す可能性があると報告されています。
たとえば、米国の精神科医Charles Raisonらの研究（2016）では、1回の高温サウナセッションがうつ病患者の気分を数週間改善したというデータがあり、これが「温熱療法」として注目されつつあります。
もちろん、医療行為ではないため、治療としての使用には注意が必要ですが、生活習慣の一環としての価値は十分にあるといえるでしょう。
以下のような工夫を取り入れることで、サウナの心理的効果をより感じやすくなります。
これらは、マインドフルネスの実践にも通じるものがあります。
サウナは身体的なリフレッシュだけでなく、心の状態にもポジティブな影響を与える可能性があります。
ストレス軽減、気分の安定、幸福感の向上など、科学的にもその効果が支持されつつあり、特に現代の忙しい日常においては、手軽に取り入れられるセルフケアの一つといえるでしょう。
ご自身の生活スタイルに合わせて、無理のない範囲で取り入れてみてください。
