サウナに入った夜、いつもより深く眠れた──そんな体験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
実はこの“爆睡”感覚、気のせいではなく、いくつかの科学的な根拠や身体の変化と関係しています。
この記事では、サウナと睡眠の関係について、リラックス効果や体温調節の観点からやさしく解説します。
人間の身体は、夜になると深部体温(内臓や脳の温度)を自然と下げることで、眠気を誘発します。
サウナに入ることでいったん深部体温が上昇し、その後の外気浴や休憩により急激に下がる流れが、眠気を促進すると考えられています。
これは「一度温めてから冷やす」ことで、より深い睡眠に入りやすくなるというメカニズムに近いものです。
サウナ → 水風呂 → 外気浴という温冷交代浴は、自律神経の働きを活性化し、交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにします。
特に、外気浴では副交感神経が優位になり、心身がリラックス状態に導かれるため、睡眠前の“準備モード”として機能します。
この状態で眠りにつくと、入眠がスムーズになり、睡眠の質も高まりやすくなります。
サウナでは、血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれます。
また、温熱刺激によって「エンドルフィン」と呼ばれる快感物質が分泌され、穏やかな気分へと導かれます。
このような身体的・心理的リラックスが重なることで、夜の“スイッチオフ”がしやすくなり、自然な眠りへとつながるのです。
いくつかの研究では、定期的にサウナを利用する人々が睡眠の質の向上を報告しています。
たとえば、フィンランドの大学による調査では、週に複数回サウナを利用しているグループが「入眠のしやすさ」「夜間の中途覚醒の少なさ」で有意な改善が見られたと報告されています。
また、日本の研究でも、就寝前の入浴やサウナ利用が深いノンレム睡眠の時間を延ばす可能性が示唆されています。
以下の工夫を取り入れることで、サウナの効果をより良い睡眠につなげることができます。
サウナによって心身が整うプロセスは、そのまま質の高い睡眠につながります。
現代の忙しい生活の中で、眠りに悩みを感じている方にとって、サウナは手軽に取り入れられるセルフケアの一つとなるでしょう。
“ととのう”ことが、“眠る”ことの土台になる──そんな感覚をぜひ、日常に取り入れてみてください。