サウナ人気の高まりとともに注目を集めている職業「熱波師」。ロウリュやアウフグースで熱風をあおぎ、利用者の“ととのい”体験を演出する存在です。
近年は全国大会が開催されるなど、エンタメ性の高いプロフェッショナルとしても活躍の場が広がっています。そんな熱波師ですが、「給料は?」「本業?副業?」「どれくらい稼げるの?」といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
この記事では、熱波師の仕事内容やスキルに加えて、気になる収入事情を働き方別に具体的な金額で紹介。副業で目指す人にも役立つリアルな情報をお届けします。
熱波師の仕事とは?仕事内容と求められるスキル
熱波師とは何をする人?サウナでの役割と重要性
熱波師は、サウナ室でロウリュ(熱された石にアロマ水をかけて蒸気を発生させる行為)を行い、その蒸気をタオルやうちわで利用者に送る「アウフグース」を担う専門職。熱波をあおぐことで体感温度を上げ、より深い発汗を促します。
近年では利用者の“ととのい”を演出するパフォーマーとしての側面も強く、音楽・照明・舞台演出のような要素を取り入れた「ショー型アウフグース」も増えています。
アウフグースとは?熱波師の主なパフォーマンス内容
アウフグースとは、ロウリュで発生した蒸気を、タオルを振ってサウナ室内に行き渡らせる技術です。熱波師の力量により、利用者の発汗量や体感温度が大きく変わります。
イベント型では、タオルさばきのパフォーマンス、音楽との連動、香りの演出、さらにサウナ室外との連携まで含めて「一つのショー」として成り立つケースも。体験価値を高め、集客力を向上させる重要な役割を担っています。
資格は必要?熱波師に求められる技術と認定制度
熱波師になるための国家資格はありませんが、「日本アウフグース協会」が主催する認定制度や、フィンランド式サウナの技能講習など民間レベルの教育プログラムが存在します。
特に施設ごとの育成制度が確立している場合、研修期間中に技術・礼儀作法・安全管理などを習得。技術認定に合格することで初めて正式な熱波師としてデビューできるケースもあります。
どんな人が向いている?熱波師に必要な適性とは
熱波師は、接客業であり、かつエンターテイナーでもあります。人前で話す力、サウナに対する情熱、演出力、安全配慮の意識、そして体力が必要です。1回のアウフグースで1リットル以上の汗をかくこともあり、心身ともにタフさが求められます。
また、他の熱波師との差別化のためにオリジナルの演出を考えたり、SNSで情報発信する能力も評価されるポイントです。
サウナブームと共に増える熱波師の需要
2010年代後半からのサウナブームにより、都市部を中心に熱波師の需要が急増。大規模チェーン店から個人経営のサウナ施設、さらには地方の温泉地まで幅広く活躍の場が広がっています。
また、メディア出演やYouTube配信を通じて知名度を得た“人気熱波師”が登場し、憧れの職業として注目されています。
熱波師の給料の実態|働き方別に年収・時給を解説
正社員としての熱波師|月給・年収の目安は?
正社員として雇用される場合、給与は地域や施設規模によって差がありますが、一般的には月給20万〜30万円が相場です。年間ボーナスや残業手当がつくこともあり、年収ベースでは約240万〜400万円程度となります。
キャリアを積むと、チーフ熱波師や現場責任者、さらには運営マネージャー職にステップアップでき、管理職として年収500万円以上の事例もあります。
アルバイト・パートの熱波師|時給・シフト事情
アルバイトの場合、時給は1,100円〜1,800円前後。勤務先によっては、1回ごとのアウフグースに対して手当(例:1回300円〜1,000円)が追加支給されるケースもあります。
シフトは週2日〜の自由設定が可能な施設も多く、学生や主婦層の副業としても需要があります。月に8〜12日出勤すれば月収5〜10万円の安定収入が期待できます。
フリーランス熱波師の収入|イベント報酬の相場は?
フリーで活動する熱波師は、全国各地の施設やイベントからの出演依頼に応える形式。報酬は1回5,000円〜20,000円が目安で、遠方の出演では交通費や宿泊費も支給されることがあります。
有名熱波師の場合、1日3〜4回のアウフグースをこなすと日収で3万円以上になることも。メディア出演やスポンサー契約が加われば、月収50万円以上を稼ぐことも現実的です。
副業としての熱波師|週末だけでも収入になる?
本業の傍ら、週末だけ熱波師として活動する人も多くいます。1回のアウフグースで5,000円の報酬なら、月に8回実施して月収4万円。サウナ好きが高じて副業にする例も多く、体験価値と副収入を両立できる働き方です。
また、副業から始めて熱波師として独立するケースも見られ、将来性のあるキャリアパスとして選ばれています。
収入を増やすコツ|スキルアップとSNS発信の活用法
熱波師の世界では、「指名をもらえるかどうか」が収入に直結します。そのためにはタオル技術・接客・演出すべての質を高め、利用者に感動を提供することが重要です。
加えて、SNS(Instagram、X、TikTokなど)で発信し、フォロワーを獲得することで自身のブランド力が向上。フォロワー数1万人以上の熱波師には企業や施設からのオファーが集まりやすく、単価交渉の材料にもなります。
結論:熱波師は情熱と工夫次第で収入アップも夢じゃない!
熱波師の給料は固定的なものではなく、働き方・スキル・知名度に応じて大きく変動します。最初はアルバイトや副業としてスタートし、実績とスキルを積み上げていくことで、正社員・フリーランス・人気熱波師へとステップアップする道も十分にあります。
特に、サウナブームによって“個性”や“演出力”が評価される時代。人と違う熱波ができること、そして情報発信力があることが、収入を増やす最大のポイントです。
サウナ愛とチャレンジ精神があれば、熱波師は自分のライフスタイルに合わせて収入も夢も広げられる仕事。あなたもその一歩を踏み出してみませんか?
参考文献・出典
- 一般社団法人日本サウナ・スパ協会
- 日本アウフグース協会 公式サイト
- 各サウナ施設の求人情報(2024年時点の募集要項)
- 熱波師インタビュー記事『熱波道』(ウェブメディア)
- 「熱波甲子園」「熱波甲子園EXTRA」イベント情報
- 熱波師・SaunnerインフルエンサーのSNS公開プロフィール