仕事終わりのサウナ、ちょっと待って！「下茹で」で深まるととのい体験

仕事でヘトヘトになった日の夜。
「もう頭がパンパンだ、サウナで全部流してやろう」──そんな気持ちで駆け込むこと、ありませんか？

ロッカーで服を脱ぎ捨てて、タオル一枚でサウナ室に直行。あの熱気に包まれる瞬間、「よっしゃ来たぞ！」とアドレナリン全開…でもそのまま入るのは、実はちょっと危ない。

なぜならそのときのあなたの体は、まだ仕事モードのまま。交感神経が優位になっていて、心臓はフルスロットル。そんな状態でいきなりサウナに突っ込むと、思わぬ負担をかけてしまうんです。

でも安心してください。サウナ愛好家の間で使われる言葉に「下茹で」があります。
これは料理の下ごしらえのように、サウナに入る前にひと工夫して体を慣らすこと。ほんの数分の準備で、リスクを減らしつつ“ととのい”をもっと深く味わえるんです。

この記事では、交感神経優位のままサウナに入るリスクと、その前にやっておきたい「下茹で」のコツを徹底解説していきます。

交感神経優位のままサウナに入るリスクと注意点

「今日も仕事でクタクタ…上司から詰められたし、心臓バクバクだよ」
──そんな状態はまさに「交感神経優位」。体が戦闘モードに入っていて、心拍数や血圧が上がりっぱなし。汗をかくのも緊張やストレスで体温が上がっているサインです。

サウナに入ると体温が一気に上がり、心臓はドキドキ、血管は拡張して血流が爆上がり。普段ならこの刺激が気持ちいいんですが、交感神経モードのまま突っ込むと「過剰な負担」になりかねません。

「イラッとしたからサウナで発散してくる！」という人もいますが、実はこれが落とし穴。気持ちの切り替えができないまま高温にさらされると、リラックスどころか逆に疲れてしまうこともあります。

徹夜明けのサウナ、飲んだあとのサウナ──これらはサウナ愛好家の間でも「危険フラグ」として有名です。そこに交感神経優位が加わると、のぼせ・動悸・失神のリスクが一気に高まります。

実際にニュースになるサウナ事故の多くは「体調不良＋無理な入り方」のパターン。たとえば飲酒後や極度の疲労時。交感神経が優位なままというのも、似たような危険因子です。

医師がよく言うのは「心臓に不安のある人は無理するな」。サウナは血流をダイナミックに動かすので、基礎疾患がある人にはリスクが大きいのです。これはサウナファンとしてもしっかり頭に入れておきたいポイント。

料理でいう「下茹で」は、食材を本番の調理に入る前に軽く茹でて下ごしらえすること。
サウナ愛好家の間では「サウナに入る前に軽く体を慣らす」ことを比喩的に「下茹で」と呼ぶことがあります。つまり、“いきなり本番”に行くんじゃなくて、準備運動をしてから楽しもう、という考え方。

まずは呼吸。ロッカーで着替えたら、深呼吸を3回。肩をぐるっと回して首をストレッチ。これだけで交感神経が少し落ち着き、副交感神経にスイッチが入りやすくなります。地味だけど効果絶大な「下茹で」です。

いきなりアツアツのサウナ室に突撃するのではなく、まずはぬるめのシャワーや38〜40℃くらいの浴槽で軽く温めましょう。これが文字通りの「下茹で」。血圧の急上昇を防ぎ、体がじんわりほぐれます。

水分を取らずにサウナに入るのは、言わば「乾いたスポンジを火にかける」ようなもの。脱水リスクが高まります。500ml程度の水を少しずつ飲んでからサウナへ行くと、汗もかきやすく、リスクも減らせます。

スマホをロッカーに置き、サウナ室に入る前に1分間だけ目を閉じて呼吸に集中。雑念を切り替えるだけで、心も「下茹で」完了。気持ちの整理ができていると、サウナの没入感がまるで違います。

準備ゼロでサウナに飛び込むのと、下茹でしてから入るのとでは「ととのい」の深さが段違い。心身が受け入れ態勢に入っているので、熱さも心地よく、水風呂も爽快に感じられます。

サウナは本来「リラックスして副交感神経を優位にする」ための場所。だからこそ、交感神経バリバリのまま突っ込むのはちょっと危険。

そこで大事なのが「下茹で」。
深呼吸・ストレッチ・ぬる湯・水分補給、このワンクッションを入れるだけで、安全性もリラックス感も格段にアップします。

サウナは「整う」ための時間。仕事の熱気をそのまま持ち込むんじゃなくて、一度「下茹で」でクールダウンしてから本番へ。
そうすれば、より深く、より安心して、ととのいの世界に浸れるはずです。