【脳科学記事】“ととのい”の正体はドーパミンだった!? 脳科学で解説

サウナに入ったあと、ふわっと意識が軽くなり、身体が溶けるように緩んでいく。 目を閉じて風に当たる時間は、何ものにも代えがたい静けさと幸福感に包まれます。

この“ととのう”感覚には、実は脳科学的な裏付けがあることをご存じでしょうか? そのカギを握るのが、脳内物質「ドーパミン」です。

本記事では、“ととのい”の背後にある神経のしくみをやさしく解説します。


ドーパミンは、脳内で分泌される神経伝達物質のひとつで、「快感」や「意欲」「報酬」に深く関係しています。

何かを達成したときや、気持ちの良い体験をしたとき、私たちの脳はドーパミンを分泌し、それが「うれしい」「気持ちいい」という感覚を生み出します。

サウナ中やその後のリラックス時にも、このドーパミンが重要な役割を果たしていると考えられています。


サウナ → 水風呂 → 外気浴という一連のプロセスは、実は脳にとっても刺激的な変化の連続です。

  • サウナによる温熱刺激 → ストレス反応と交感神経の活性化
  • 水風呂による冷却 → 血管の収縮と緊張
  • 外気浴で一気に解放 → 副交感神経が優位に → 深いリラックス

この急激な「緊張 → 解放」の流れは、脳の報酬系を活性化し、ドーパミンやエンドルフィンといった快感物質が分泌されやすくなります。

結果として、「整った…」という恍惚感や幸福感を生み出すのです。


ドーパミンが活性化すると、以下のような感覚が得られやすくなります。

これは一時的なものではありますが、定期的な“ととのう”体験によって、日々の精神的な安定に寄与する可能性があります。


ドーパミンは「依存性」や「中毒性」とも結びつく性質を持っていますが、サウナに関しては、身体的・時間的な制約があるため、依存性は比較的低いとされます。

ただし、 「ととのわないと気が済まない」 「毎日でないと不安になる」 といった感覚が強くなりすぎると、注意が必要です。

快感はあくまで“副産物”として受け取り、習慣として無理のない範囲で楽しむことが大切です。


“ととのう”という言葉は感覚的でありながら、脳科学的にも説明できる奥深い現象です。

温熱・冷却・静寂──このシンプルなサイクルが、私たちの脳と身体を自然にリセットしてくれる。 それこそが、サウナの魅力であり、“ととのい”の正体なのかもしれません。

ぜひ次のサウナでは、身体だけでなく「脳が喜んでいる感覚」にも、そっと意識を向けてみてください。

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